現代語訳 仏教活論序論
著者名: 井上円了〔著〕・佐藤 厚〔訳〕
ISBN: 978-4-500-00756-1
判型: 4-6判
体裁: 並製・カバー装
頁数: 188
発行日: 2012年10月30日
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定価(10%税込): ¥1,650
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《内容紹介》
近代西洋哲学に見出した真理が仏教の中に存在することを発見し、当時低迷の極みにあった明治仏教に「活」を入れるべく、独り敢然と起ち上がった若き井上円了(いのうえ・えんりょう)。“妖怪博士”ではない“哲学者”井上円了の真骨頂が味わえる近代仏教の名著が、初の現代語訳にて甦る!!
《目次》
第一章 国家と真理 19
 第一節 護国と愛理 20
  第一項 護国と愛理 20
  第二項 国民と学者の義務 21
  第三項 護国と愛理は、どちらが重いか? 21
  第四項 護国と愛理は一体である 22
 第二節 真  理 24
  第一項 僕は幼い時から真理を求めていた 24
  第二項 人間の趣向というもの 26
  第三項 真理とはどのようなものか 26
  第四項 真理と宗教 27
  第五項 仏教とキリスト教とを比較する 28
  第六項 仏教に真理がある 29
 第三節 僕の思想遍歴 30
  第一項 僕はお寺で生まれ育った 30
  第二項 儒学、キリスト教に真理はなかった 31
  第三項 西洋哲学に真理を発見し、改めて仏教を見ると、西洋哲学の真理と一致していた 32
第二章 国家と仏教 35
 第一節 日本で仏教を再興し、世界に輸出せよ 36
  第一項 今の日本だけが仏教を維持できる 36
  第二項 日本から世界へ仏教を輸出すべし 37
  第三項 今の日本で仏教の再興が必要な理由 38
  第四項 宗教と国民精神および国の独立 39
  第五項 仏教を西洋に輸出せよ 42
  第六項 小  結 44
 第二節 キリスト教は日本のためにならない 45
  第一項 「キリスト教がすべて」という人がいるが、それはおかしい 45
  第二項 仏教こそが日本のためになるのだ 46
  第三項 「仏教は政治社会に利益を与えない」という批判に答える 47
  第四項 「西洋人と交際する際にはキリスト教徒になるのがよい」という考えは間違っている 48
  第五項 西洋の模倣は、日本人に対する蔑視を生むだけだ 49
  第六項 小  結 50
 第三節 僕が考えるキリストとキリスト教 51
  第一項 僕はキリストが憎いのではない 51
  第二項 キリスト教信者は僕の同胞兄弟である 52
  第三項 キリストは英雄である 52
  第四項 だが僕は絶対にキリスト教を信じない 54
  第五項 キリスト教の害毒 55
  第六項 キリスト教は、人間の知性と社会の発展を阻害する 56
 第四節 学者才子よ、仏教改良に起て! 57
  第一項 宗教の改革ができるのは日本だけである 57
  第二項 日本の僧侶たちでは改革は不可能だ! 58
  第三項 学者才子よ! 僧侶に代わって仏教を護持せよ! 59
  第四項 キリスト教の奴隷になるな! 仏教を改良して世界宗教を一変させよ! 60
  第五項 小  結 61
 第五節 明治十八年の僕の苦労 63
第三章 仏教と真理 67
 第一節 仏教の区分 68
  第一項 仏教の分類方法─聖道門と浄土門 68
  第二項 仏教は、哲学と宗教からなる 70
  第三項 人間は情感と知力の二つの心のはたらきを持ち、仏教は両方を兼ねる 71
  第四項 小  結 75
 第二節 仏教の哲学的部分 76
  第一項 近世西洋哲学の発展の構図と釈迦の中道 77
  第二項 仏教宗派と西洋哲学との対応 83
  第三項 因果の規則は科学と一致する 109
 第三節 仏教の宗教的部分 116
  第一項 仏教各宗の安心にいたる方法 117
  第二項 仏教の説く幸福の意味 118
  第三項 仏教でいう幸福は多くの人の幸福である 118
  第四項 仏教の目的 119
 第四節 釈迦の意図とは? 方便と中道との関係 120
  第一項 釈迦の本意は何か? 120
  第二項 釈迦の説教の順序の意味 121
  第三項 釈迦の説教は中道が目的である 122
  第四項 平等と差別との関係を再説する 123
  第五項 人間の思想発達の順序について 125
  第六項 横浜─サンフランシスコ行きの船の例で、中道と方便とを説明する 128
  第七項 人間が邪道に走るから方便は必要なのである 130
  第八項 釈迦は出世間だけを説いたのではなかった 132
  第九項 釈迦は肉食妻帯を禁止したのではない 133
  第十項 釈迦の教説はすべて中道に基づく 134
  第十一項 仏教が多くの宗派に分かれたのも中道が関係する 135
  第十二項 小  結 136
結 論 137
訳  註 143
付  録 175